新宿区 神楽坂の小児科・小児低身長治療・整形外科・内科診療: とびた整形外科・内科クリニック
Tobita Orthopaedics & Internal Medicine Clinic
成長ホルモン治療に関する質問

1)治療の適応時期と効果は?
治療は思春期までが勝負です!
一般的に男児11歳6ヵ月・女児9歳9ヵ月頃から第2次性徴が始まると言われております。
その為早い段階での受診をお勧めします。
骨の端にある骨端線(こったんせん)という部分はレントゲンを撮ると隙間が空いているように見えます。実はここに軟骨細胞が沢山詰まっており、この軟骨細部が増殖することで骨が伸びます。しかし、思春期以降はこの軟骨細胞が骨に変わり骨の伸びしろが無くなっていくのです。
ですから、治療の最適な時期は思春期前です。しかし、思春期後も保険治療の対象になります。骨年齢が男児17歳未満・女子15歳未満で、1年間の成長が1cm以上あったならば、十分治療の対象となる場合がございますので、どうぞご相談ください。

2)費用はどのようになっておりますか?
基本的には保険診療の範囲で行います。お子様の保険診療はお住まいの地域によって異なりますので、各市町村の保健所に確認をお願いします。
3)通院はどのくらい必要なの?
基本的に注射の治療なので、月に1回来院していただいております。もちろん遠方の方は3ヵ月に1回来られる方もおります。
お子様は年に4回程度の採血検査と年に1-2回のレントゲン検査が必要になります。
4)副作用はないの?安全?
基本的に副作用がほとんどなく安全な薬です。
ただし、注射を始めて1週間くらい頭痛や発疹、注射部に痛みが出ることがありますが治ります。また、元々骨に問題のあるお子様(背骨が曲がっていると指摘されたことがある・生まれたときに関節が脱臼していた、など)や1型糖尿病(生まれながらに糖尿病で既にインスリン治療を行っている)のお子様は治療適応外になる事がありますので、来院時にご相談ください。
5)去年から成長ホルモン治療を始めたのですが、今年はあまり背が伸びていないようです。
全てのお子様が注射をすると必ず伸びるとは限りません。特にSGA性低身長のお子様は、伸びが悪いことがございます。身長を伸ばすのは注射だけではございません。食事・睡眠・運動・愛情といったものが必要です。私は各ご家庭のお話に耳を傾け、皆様のご一緒に最適な方法を考えて行きますので、些細なことでも構いませんので気兼ねなくお話ください。
6)風邪を引いているのですが、注射してもよいですか?
全く問題有りません。
しかし、お子様が辛そうにしているときに注射をする事は抵抗があるとおもいますので、この場合はご家族の判断にお任せ致します。
数日注射を抜いたからと言って大きな問題になる事はありませんのでご安心ください。

7)旅行中の注射はどうしたらよいですか?
数日の旅行(例えば修学旅行など)であるならば、特に持参する必要はありません。家族旅行である場合は持って行くことをお勧めしております。飛行機に乗る場合は国内であれば基本的に診断書の必要がありませんが、数カ所の空港では搭乗ゲートで止められてと言った話をお母様方からお聞きしました。その為、全ての方に診断書をお渡ししておりますのでご安心ください。国際線は必ず診断書が必要ですので、ご旅行の前には必ず私にお伝えください。この時、パスポートの正確な名前のスペルと滞在国を教えてください。



8)注射が嫌になってしまったのですが。
殆どのお子様が1年以内に嫌になります。
毎日注射をするのは大変ですから当然のことです。このような場合は必ず私にお話ください。時間を作って注射の大切さ・どうして注射をしているのかを、説明させてもらいます。
9)背を伸ばすために必要な食事は?
背を伸ばすためにより多く摂取する事を意識した方が良いものは、タンパク質とミネラル(カルシウム)などです。しかし、カルシウムは骨を強くしますが、伸ばす効果はありません。私の個人的な見解ですが、何を食べるかよりも、ご飯の時間が大好きで・いっぱい食べるお子様が伸びると思います。ご家庭での工夫はご飯の時間を楽しくしてあげることでしょう。
10)“寝る子は育つ”は本当ですか?
本当です。
ただし、睡眠の量と質の高い睡眠を取ることが必要です。質の高い睡眠をとるためには、一度クリニックにご来院ください。お話いたします。
11)運動と成長の関係を教えてください
運動をしているときも成長ホルモンが分泌されていることをご存じですか。適度の運動は、成長ホルモンの分泌を促します。また、運動はお子様の・筋力・心肺機能・バランス感覚・ストレス発散など様々な良い効果をもたらします。運動を沢山してミトコンドリアを増やせば、体の代謝が上がってお腹がすく・よく寝れるようになる!その為、運動は絶対必要です! ただし、この運動をすれば背が伸びる(縄跳び・バスケット・バレーボールなど)といった医学的根拠はありません。お子様の好きな運動を細く長くやらせてあげることが大切です。

12)背を伸ばすためのサプリメントは??
残念ながら、この世の中にそのような魔法の薬は存在しません。サプリメントは普段の食事が十分取れない場合に補助的に摂取するものです。サプリメントに頼ってしまうことは普段の食事が十分でない証拠です。サプリメントとお子様にステーキを食べさせるとしたらどちらを選択しますか?? もちろん、ステーキですよね。

13)成長ホルモンの治療効果が無くなる(治療をやめる時期)はいつですか
私は、男の子は声が変わったら・女の子は生理が来たら一度ご家族と相談し治療の継続もしくは中止を決定します。
男性ホルモンや女性ホルモンが十分出ている時期は成長ホルモンの効果は減弱します。毎日注射を続ける労力に対して結果が伴わなかった場合は、逆にお子様にストレスを与えてしますことがあるからです。
思春期はお子様がいろいろなことで悩む時期です。この時期は身長も大切ですが、もっと大切なことがあるはずです。私もお手伝いをいたしますので、ご両親・本人・当クリニックのスタッフでお子様の大切な将来の希望を見つけてあげたいと考えております。
(参考までに)
1年間の成長速度が1cm/年以下になったとき、または骨年齢が男子で17歳、女子で15歳に達した場合はすべてのお子様の保険を用いた成長ホルモンの治療は終了となります。