年代別知っておきたい骨粗鬆症Q&A
閉経後に骨量を測るのでは遅すぎますか?
Q1: 閉経前の同年代の友人が骨粗鬆症になったと聞いて驚いています。骨量を測るのは閉経後でいいかなと思っていたのですが、遅すぎるのでしょうか?
A1: 遅すぎるということはありません。ただ、骨量には個人差がありますから、ご自身の骨量減少が始まる前のピークの骨量を把握しておくと、その後にどれくらい骨量が減ったかがより正確にわかります。診断や治療開始の目安になりますので、更年期に入る前の40歳になったら一度は骨密度の測定をしておきたいですね。

骨粗鬆症は食事と運動の改善だけで治すことはできますか?

Q2: ふだんから、できるだけお薬に頼らずにセルフケアで病気を治したいと思っています。骨粗鬆症になっても食事と運動を気をつけることで治りますか?
A2: 女性に多い閉経後骨粗鬆症は、閉経後に女性ホルモンの分泌が減少することによって起こります。そのため、食事と運動だけでは骨粗鬆症を治癒することは難しいでしょう。ただし、そもそも骨粗鬆症は生活習慣病という側面がありますので、食習慣や運動習慣を改善することは治療には欠かせません。いくらお薬で治療をしても、生活習慣の改善を怠っていては、お薬の効果を妨げることになってしまいます。食事・運動療法は治療の基本なのです。

たまに腰や背中が痛みます。

骨粗鬆症に特徴的な痛み方などはありますか?

Q3: 定期的に体を動かすことを心がけていますが、運動後、たまに腰や背中に痛みが出るときがあります。骨粗鬆症とそれ以外の病気では痛み方に特徴や違いがありますか?
A3: 痛みに特徴的な違いはありません。腰や背中が痛いときは骨粗鬆症も疑われますが、ほかにも腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など異なる疾患である可能性もあります。腰背痛があるときは、その原因が何かを突き止めることが先決ですから、骨量検査、レントゲン(X線)検査、骨代謝マーカー測定などが必要です。

母も祖母も骨粗鬆症です。

骨粗鬆症は遺伝するのでしょうか?

Q4: わたしの祖母、母ともに骨粗鬆症で、骨粗鬆症による骨折もあります。わたしはまだ骨粗鬆症ではありませんがこの先が不安です。骨粗鬆症は遺伝するのでしょうか?
A4: 骨粗鬆症は遺伝します。親子を対象とした研究では、骨粗鬆症患者さんの子供も骨密度が低く、親子で骨密度の減少の仕方も一致していることが報告されています。ただし、遺伝的因子があったとしても、栄養バランスの取れた食事や適切な運動などにより骨密度をより高く保つことも可能です。遺伝的要因が懸念される場合は特に、できるだけ早いうちからライフスタイルの見直しを心がけていきましょう。ー測定などが必要です。

骨量が低下しています。
毎日の生活で気をつけたほうがよい点を教えてください。

Q5: 先日受けた検診で、骨量が低下しているので骨に負担のかからない生活を送るように言われました。例えば、イスの生活と畳の生活ではどちらがよいのかなど、毎日の生活で気をつけたほうがよい点を教えてください。
A5: 骨量がすでに低下し、骨折の危険性が高い骨量低下型の骨粗鬆症の場合には、イスの生活のほうが無理がないでしょう。畳での生活は立ったり座ったりするときに、体重による負荷が背骨や足の関節に大きくかかるからです。ただし、積極的に骨量を高めたいときは、骨への刺激や負荷を大きくして骨量の減少を抑えることも必要ですから、畳の生活などもその一助になります。医師と相談のうえ、骨の状態に適した生活を送ることが大切です。

他の病気の影響で骨粗鬆症になることが

あると聞きました。どんな病気ですか?

Q6: 数年前から糖尿病を患っています。他の病気が原因で骨粗鬆症になることがあると聞いたのですが、具体的にどのような病気に注意が必要ですか?
A6: 関節リウマチ・甲状腺機能亢進症・性腺機能低下症・クッシング症候群などのホルモンが関係している病気や、糖尿病・消化器の病気などが、骨粗鬆症に影響するとされています。糖尿病患者さんは、骨密度が正常であっても骨折が多いことが知られていますが、骨代謝のバランスが崩れることによる骨強度の低下が影響しています。骨強度の低下には骨質が大きくかかわり、高血糖によって生成された物質によって骨質の劣化がもたらされる可能性があるとされています。骨粗鬆症診断は骨密度の測定で行うため、低骨密度でない骨折は骨粗鬆症に起因するものではないと判断しがちですが、骨質低下が主であっても骨粗鬆症の定義には当てはまるので、骨密度だけでなく、骨折の危険性を測定する骨代謝マーカーの測定も大切になってきます。

病院で処方されたお薬を飲んでいますが効いているかわかりません。
面倒だしやめてもいいですか?

Q7: 半年前に軽い骨粗鬆症と診断され、ビスホスホネート製剤を飲んでいますが効き目を実感できません。毎朝起きてすぐ飲むのも面倒なのですが、続けなくてはなりませんか?
A7: 自覚症状の少ない骨粗鬆症は、治療を開始しても効果が出ているか実感しづらいかもしれません。しかし、骨量や骨代謝マーカーを測定すれば、データで効いているかどうかが示されます。数値の改善がみられた場合は、次は数値の維持を目標にしましょう。また、ビスホスホネート製剤は毎朝服用し、お薬の刺激を避けるために服用後30分は横になれません。面倒だと感じる方は、週1回服用のタイプや、SERM製剤のように飲み方や飲む時間、食事の影響を選ばないお薬もあるので医師に相談してみてください。

進行した骨粗鬆症の人や高齢者でもできる運動を教えてください。

Q8: なかなか自分では気づかなかったため、骨粗鬆症が進行してから治療を始めました。骨折の危険性がある人や高齢者でも無理なくできる運動があれば教えてください。
A8: 骨粗鬆症の予防には骨に強い負荷がかかるウェートトレーニングなどの運動が適していますが、すでに骨粗鬆症が進行している人や高齢者は、骨折を起こさないよう、関節や筋肉をゆっくり曲げ伸ばしするストレッチやウォーキングが適しています。ウォーキングなどの軽い運動は、腸管でのカルシウムの吸収を向上させて骨の代謝を促進します。また、カルシウム不足で低栄養状態のことが多い骨粗鬆症患者さんにとって、運動は食欲を増進させるので、栄養補充をする意味でも毎日の生活に取り入れていきましょう。

骨粗鬆症における骨折治療はどのようなものですか?
また治療中に注意すべき点は?

Q9: 骨粗鬆症なので気をつけていたのですが、転倒した際に骨折してしまいました。骨粗鬆症の骨折の治療はどのようなものですか?また治療中に注意すべき点があれば教えてください。
A9: 脊椎の圧迫骨折では、腰背部痛から約2週間はトイレ以外は安静が必要で、痛み緩和のためにコルセット・鎮痛剤・湿布などが用いられます。急性期以降は、早期回復のためにベッド上で腕や足の運動をしていきます。大腿骨頸部骨折のうち頸部内骨折の場合、血管障害がなければ早期に手術をし、手術後早期から歩行を始めます。血管障害がある場合は手術によって壊死が生じることがあるので注意が必要です。すでに寝たきりだった場合は手術ができませんので、車イスによる生活を目標とし、身体機能の低下を防ぐように指導します。

もう何年も骨粗鬆症のお薬を飲んでいますが、
長い間薬を飲み続けても問題ありませんか?

Q10: 50代で骨粗鬆症と診断されてから、もう5年以上お薬を飲み続けています。長い期間飲み続けることが少し不安になってきたのですが大丈夫でしょうか?
A10: 基本的に骨粗鬆症の治療は長期にわたります。骨代謝の改善には時間がかかるからです。SERM製剤やビスホスホネート製剤などにより骨密度の増加には高い有用性が認められるようになりましたが、やはり骨折の危険性が伴う場合はお薬を使い続けることになります。ただ、ほかの病気に用いられるお薬に比べ、骨粗鬆症の薬剤は副作用が少ないことが知られています。治療の結果、骨密度が正常範囲を上回ればお薬の服用を中断する場合もありますので、医師と相談しながら経過を見守っていきましょう。

経口の薬物治療を続けていましたが骨折してしまいました。
今後、どのような治療法があるのでしょうか?

Q11: 骨粗鬆症と診断されてから、ビスホスホネート製剤を飲み続けてきましたが骨折してしまいました。骨折が続いて寝たきりにならないかとても不安ですが、今後どのような治療法が考えられるのでしょうか。
A11: 骨粗鬆症の薬物治療には、活性型ビタミンD3製剤やSERM製剤などのように、骨折の予防的観点からも適したお薬がある一方で、高度の骨粗鬆症や多発圧迫骨折がみられる患者さんなど、より骨折の危険性の高い患者さんに適している副甲状腺ホルモン製剤(PTH)という“骨の形成を促す” 注射剤もあります。骨粗鬆症の治療は、服薬を継続しないとその効果は続きません。ご自身の症状に適したお薬を、医師と相談しながら継続して服薬してください。
以上、骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版を参考
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