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骨粗しょう症
1) 骨粗鬆(しょう)症とは?
 

骨がスカスカになり、骨折しやすくなる病気が骨粗鬆症です。

その為、骨の強度の低下によって、骨折のリスクが高くなります。この病気の最大の問題は、骨折するかで骨粗鬆(しょう)症気付かないことなのです。

2) 多くは女性の方に発症します
 

閉経後骨粗鬆症は年齢とともに進行します。

閉経後、年齢とともに女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少し、徐々に骨の量が低下していきます。その為、症状が現れにくく、Silent Disease(静かなる病気)とも呼ばれております。

3) 今、皆様もしくは皆様の大切なご家族に起こっている可能性があるのです!!
 
骨粗鬆症の患者数は約1,300万人と言われております。女性に非常に多く、閉経後に骨の量が急激に減少することで、骨粗鬆症になる人が増加します。
本格的に骨粗鬆症が増加する前の40代・50代から体と向き合いましょう

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会編; 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版, p4, ライフサイエンス出版, 2011

4) 骨粗鬆症が始まるサインを見逃さない!
 

身長が低くなったり、腰が曲がるなどがみられ、放っておくと骨折につながります。

体を動かしたときに痛みが出て、日常生活がままならないこともあります。

5) 健康で長生きするためには骨粗鬆(しょう)症の早期予防が大切です!
 

骨粗鬆症は慢性疾患であり、日本人女性は発症から寿命まで20年以上も向き合う病気です。

日本人の健康寿命(73歳)と平均寿命(86歳)には、10年以上のギャップがあります。

健康で長生きするためには、骨粗鬆症の予防は必要不可欠です!

平成24年度厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」
6) 要介護の主な原因は転倒・骨折にあり!
 

骨粗鬆症では、転倒による大腿骨骨折から、寝たきりとなり、要介護となることがあります。

骨粗鬆症は、生活の質(QOL)を低下させ、長期的には死亡リスクの上昇にもつながります。

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会編; 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版, p9, ライフサイエンス出版, 2011
7) 丈夫な骨と一緒に、長く楽しい人生を。
 

骨粗鬆症予防の目標は「骨折を起こさないこと」です。骨折予防には骨を強くし、転んだり怪我をしないことが重要です。高い骨の密度を保つための生活を心がけましょう。一方、骨粗鬆症が要因で骨折してしまった場合は新たな骨折を起こさないために、早めに治療を開始し、ライフスタイルに合った治療を継続することが大切です。骨粗鬆症の予防や治療に、けっして遅すぎるということはありません。丈夫な骨とともに健康で自立した生活を送ることで、楽しく豊かな時間を過ごせます。

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会編; 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版, ライフサイエンス出版, 2011
8) ここまでのまとめ
 

①骨粗鬆症とは

  「骨強度の低下によって、骨折のリスクが高くなる骨の障害」である。

②骨粗鬆症の患者数は約1,300万人、

    症状が現れにくく、「Silent Disease(静かなる病気)」と呼ばれる。

③更年期に骨量が急激に減少することで、骨粗鬆症になる人が増加する。

④1つの背骨の骨折(椎体骨折)に始まり、複数の背骨の骨折や大腿骨骨折が、

    生活の質(QOL)を低下させ、長期的には寝たきりや死に至る危険性を高める。

⑤自立した生活、つまり「健康寿命」をできるだけ長くすることが重要。

⑥骨粗鬆症では、転倒による大腿骨骨折から、寝たきりとなり、

    要介護となることがある。

⑦骨粗鬆症は、生活の質(QOL)を低下させ、

      長期的には死亡リスクの上昇にもつながる。

⑧骨粗鬆症は通院しなければならない慢性疾患の上位疾患である。

9) 骨粗鬆(しょう)症の病態 
 

毎日作り変えられるはずの骨がうまく作り変えられなくなるのが骨粗鬆症です。

骨は一生、新陳代謝を繰り返して新しく作り変えられています。

骨は壊して(骨吸収)・作って(骨形成)のバランスを保って骨の密度が一定に保たれております。

閉経後に女性ホルモンが欠乏すると、骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨の量が低下します。

参考: 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会編; 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版, ライフサイエンス出版, 2011
10) 40歳台になったら各市町村,区で定期検診を受けましょう。 
 

骨粗鬆症検診は、40~70歳の女性が各市町村で5歳毎に受診可能です(詳しくは直接市(区)役所にお尋ねください)。

骨量の低下が指摘された場合は、生活習慣の改善とともに、クリニックもしくは病院への受診をお勧めします。

11) 定期検診を受けた方々の驚くべき事実!! 
 

骨粗鬆症検診を受けた人のうち、約4割もの人が「精密検査や生活指導が必要」と要注意の指摘をされています。一方で、検診率が高いほど要介護率が低いという関係も認められています。「まだ大丈夫」と自己判断をせずに、早い段階から定期的に検診を受けることで、自分の骨の状態を知り、骨の状態に見合った生活習慣を身につけることが大切です。

厚生労働省; 平成22年度地域保健・健康増進事業報告書の概況
12) 皆様の骨は大丈夫? 20項目チェックリスト 
 

骨粗鬆症は、食生活、運動などの生活習慣が大きくかかわる「生活習慣病」でもあります。

生活習慣の改善と薬物治療によって生活の質(QOL)を維持することができます。

太田博明; 骨粗鬆症, p10-13, 主婦の友社, 2001

13) まずは生活習慣を改善して 骨粗鬆症の予防を心がけることが大切です。
 

骨粗鬆症リスクを高める危険因子には、努力して避けられる因子があります。

日々の生活から危険因子を取り除くように意識しましょう。

参考: 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会編; 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版
14) 骨粗鬆症に伴う骨折対策を 早期から取り入れましょう。
 

骨粗鬆症の治療は、「食事・運動・お薬」での治療の3つが柱です。

骨量減少による骨折の危険があれば、早めにお薬の治療をスタートする場合もあります。

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会編; 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版, ライフサイエンス出版, 2011
15) 「骨の健康」を考えた食事を心がけましょう。
 

栄養素のバランスを取ること、骨代謝にかかわる栄養素を摂取することを意識しましょう。

骨粗鬆症では1日800mgのカルシウムや、ビタミンD、ビタミンKを積極的に摂りましょう。

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会編; 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版, p64-65, ライフサイエンス出版, 2011

日本人の食事摂取基準2010年版

16) 無理なダイエットは骨の髄(ずい)まで不健康に、、、
 

ダイエットは栄養素の摂取のアンバランスを引き起こし、日本人に不足しやすいカルシウム摂取の状況をさらに悪化させてしまいます。また、過度に痩せて体脂肪が減ることで、女性ホルモンの分泌の低下がみられるばかりでなく、筋肉量が少ないことで骨に対する刺激が少なくなり、骨量(骨密度)の低下につながるのです。とはいえ、他の生活習慣病など、健康に対する有害な影響を考えれば太りすぎもいけません。身長相応の理想体重を維持することが最善といえます。

中村利孝 監訳; 骨粗鬆症 診断・予防・治療ガイド, p100, メディカル・サイエンス・インターナショナル, 2007

17) 定期的な運動で、より丈夫な骨を育てましょう。
 

運動によって骨に適度な負荷をかけることで、骨の形成が促され、骨が丈夫になります。

無理をせずに、効率よく骨に負荷がかかる運動を定期的に続けることが大切です。

カラフルライフ2011年3・4月号
18) 転倒による骨折を防ぐために生活環境を整えましょう。
 

柔らかい骨が多い部位ほど、加齢による骨の変化が生じやすく、骨折しやすくなります。 

骨折の多くは転倒が原因です。骨折を防ぐため、転倒しにくい生活環境を整えましょう。

骨粗鬆症 診断・予防・治療ガイド, p91, メディカル・サイエンス・インターナショナル, 2007

19) 生活習慣病は骨の代謝に悪影響
 

生活習慣病のなかでも糖尿病・脂質異常症・高血圧・慢性腎臓病などが関与します。

生活習慣病関連骨粗鬆症は、骨質の劣化への関与が大きいとされています。

生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイド, p2, ライフサイエンス出版, 2011

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版, p114-115

 

20) あなたもロコモ?
 

骨、関節、筋肉などの運動器の働きが衰えると、日常生活における自立度が低下し、介護が必要になったり、寝たきりになる可能性が高くなります。運動器の障害で要介護になったり、要介護になる危険の高い状態をロコモティブシンドローム(ロコモ)といいます。ロコモにはいろいろなレベルがありますが、自分にあった安全な方法でロコモーショントレーニング(ロコトレ)を取り入れてみましょう。まずは片脚立ちやスクワットなど、気軽に始められるものからスタートしてみませんか?

因みに私、ロコモアドバイスドクターです。

公益社団法人 日本整形外科学会; ロコモパンフレット2010年度版
21) まとめ
 

・骨粗鬆症は、食生活、運動などの生活習慣が大きくかかわる「生活習慣病」の一つである。

・生活習慣の改善と薬物治療によって生活の質(QOL)を維持することができる。

・骨粗鬆症リスクを高める危険因子には、努力して避けられる因子がある。

・骨粗鬆症の治療は、「食事・運動・お薬」での治療の3つが柱となる。

・骨粗鬆症には1日800mgのカルシウムや、ビタミンD、ビタミンKを積極的に摂るよう心がけることが大切。

・運動で骨に負荷をかけることで、骨の形成が促され、骨が丈夫になるので、効率良く骨に負荷がかかる運動を定期的に続けることが大切。

・柔らかい骨が多い部位ほど、骨折しやすく、骨折を防ぐために転倒しにくい生活環境を整える必要がある。

・生活習慣病のなかでも糖尿病・脂質異常症・高血圧・慢性腎臓病などが関与するとされ、特に生活習慣病関連骨粗鬆症は、骨質劣化への関与が大きいとされている。

22) お薬を飲むことで、 骨粗鬆症の進行と骨折リスクを抑えます。
 

骨粗鬆症による骨折の危険性は、お薬によって低下できることが認められています。 

骨粗鬆症のお薬には、大きく分けて、骨が壊れるのを抑えるお薬と、骨が作られるのを助けるお薬の2つがあります。

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版, ライフサイエンス出版, 2011
23) 適切な予防・治療により骨折による寝たきりを防ぎ 自分の足でイキイキとした人生を過ごしましょう。
 

・骨粗鬆症の治療は長期間にわたることもめずらしくありません。飲みやすく、効果が持続し、長い期間服用しても安全なお薬を選ぶことが大切です。

・骨折による寝たきりになるのを防いで生活の質(QOL)を高め、心身の若さをいつも心がけていきましょう。

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版, ライフサイエンス出版, 2011
24) まとめ
 

・骨粗鬆症のお薬には、主に骨が壊れるのを抑えるお薬と、骨が作られるのを助けるお薬の2つがある。

・骨の状態に応じたお薬を選び、場合によっては何種類かのお薬を組み合わせた治療となる。

・SERM製剤は骨に対しては女性ホルモン(エストロゲン)のような働きをして、より自然なプロセスで骨代謝を改善する閉経後骨粗鬆症に適した薬剤である。

・SERM製剤は、骨や脂質の代謝に関する細胞では女性ホルモンのように働き、一方で、子宮や乳腺の細胞ではその働きが抑制される。

・骨粗鬆症では、お薬で骨密度の改善・維持がみられても、お薬をやめると骨密度は再び低下することが多いため、お薬を飲み続けることが大切。

・骨粗鬆症の治療は長期間にわたることもめずらしくないため、飲みやすく、効果が持続し、長い期間服用しても安全なお薬を選ぶことが大切。

・骨折による寝たきりになるのを防いで生活の質(QOL)を高め、心身の若さをいつも心がけていくことが重要である。

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